中野市江部で発生した立てこもり事件について記者会見
2023年5月25日に中野市江部で発生した立てこもり事件について、長野県警察は2023年5月26日の正午から長野市の県警本部で記者会見を開始しました。会見には小山巌本部長と山越哲刑事部長が出席しました。小山本部長は冒頭であいさつを行い、その後、質問に答える形で進行しました。
会見内容
【小山巌本部長】凶悪極まりない事件、痛恨の極み
事件概要について。認知は5月25日午後4時26分。男が女をサバイバルナイフで刺した。男は女を刺した後、警察官の2人を所持していた猟銃様のもので発砲し、自宅に戻り、立てこもった。自宅には母親とおばがいたが、自力で脱出。けがなし。犯人は自力で自宅の外に出たところを確保した。
県民の皆さまを始め、社会の皆さまに不安を与える凶悪極まりない事件。中野署に事件の捜査本部を約100人態勢で立ち上げた。当県警の警察官2人が殉職、痛恨の極み。
【質疑応答】 容疑者は犯行を認めている
―4人が亡くなった事件の受け止めを
被害に遭ってお亡くなりになった方に哀悼の意を表するとともにご遺族の皆さまにお悔やみを申し上げる。当県警の警察官2人が殉職した。痛恨の極み
―犯人との交渉や逮捕の経緯は
詳細はコメントを控える
警察が説得を試みて被疑者が投降した。説得は電話で。犯人の内心は分からないのが正直な気持ち
―昨夜午後7、8時台に発砲があった。どういった発砲か
その点も被疑者に聴取して解明していきたい
―容疑者の認否は
被疑者は犯行を認めている
―供述内容は
具体的なことは言えない
―殺害の動機は
今後の捜査に支障が生じかねないのでお答えできない
―警察官の装備について
ナイフで刺されたと通報を受けていった。防弾チョッキは付けていなかった。
―家族構成は
被疑者、被疑者の父母と被疑者のおばの4人暮らし
―家族間のトラブルは
現時点で相談は受けていない。
―刃物で刺された女性との関係は
今後の捜査で明らかにしていく。通報では刃渡りは30センチぐらい。実際は今後調べる。
―(負傷して救出できずにいた)4人目の被害者はどのタイミングで襲われたか
詳細はまだ分からないが、(最初に刃物で刺された)村上さんと同じようなタイミングであったのではないか
―捜査員の態勢、人数は
人数は詳細を控えたい。最大限、やれることをやったかなと
【猟銃の許可を持っていた】
―猟銃様のものは猟銃と言っていいか
猟銃といって問題ない。猟銃の所持許可を持っていた。
―長野県公安委員会による許可か
そうだ。複数の猟銃許可を持っている。全4丁。散弾銃やライフルなど。狩猟と標的射撃の二つで許可を取っていた。
―使われた猟銃の所有者と名義は
4丁とも被疑者
―4丁は正規のルートのものか
そう考えていい。許可は散弾銃が平成27(2015)年1月、ライフルなどその他の銃が平成31(2019)年2月。
―事件で使った銃は何種類か
確認中。今後の捜査で明らかにしていく
―猟銃の保管場所は
通常は自宅内であれば、厳重なところ。それができないなら同様の場所。今後の捜査で(明らかにする)
―自宅に何丁残っているか
確認中
―通報時点で銃所持の許可を得ている人の認識を持っていたか
持っていなかったと思う
―許可を出したことについて問題はあったか
現時点では把握していない
【精神疾患などは「把握していない」】
―被疑者に精神疾患などはあったか
把握していない。許可更新の際に精神疾患がないとの診断書を受けることになっている。
―アルコール、薬物の影響については
現時点でそのような話は聞いていない
―警察官に当てたのは1発か
1発と考えているが、司法解剖で解明する
―トータルで何発か
まだ解明中。発砲数は捜査中
―警察側からの発砲は
ない
―被疑者をどのように確保したのか
捜査に関わる
―被疑者確保時の状況は
説得をして被疑者の方が投降に至った。最後は投降した。説得だけではないかもしれないが、説得もやりながら最終的に被疑者が投降した。すぐに投降してほしかったが、結果的には12時間近くかかった。犯人の心情は最後投降するまで分からなかった。犯人側から意思が示されて出てきた
―説得については父親も一緒に当たったのか
警察以外の話は控える
―投降時の具体的な様子は
手を上げたり、頭に乗っけたりして出てきた
―手に何も持っていなかったか
手に持っていないことを確認して被疑者を確保した。両手を上げたりあるいは頭に乗せたりということだ
―確保は自宅敷地内か
敷地内だったと思う
―玄関から出てきたか
玄関だ
―ナイフは押収済みか
確認中
―途中被疑者が家の外に出たのは何時頃か
割と頻繁にやっていたので、時間は分からない。出たり入ったりしていた
―建物から2人脱出している。逃がされたのか、自力で逃げたのか
母親は自分の意思で。おばは確認できていない。自宅の中にいたのは母親とおばの2人。けがなしだった
【被疑者は取り調べに応じている】
―今の被疑者の状況は
まだ詳細は入っていないが、取り乱したなどの情報は入っていない。取り調べには応じている
【展開が非常に早かった】
―初動についてはどう分析するか
刃物があってすぐに発砲があった。刃物の事案として対応を想定していたが、そこからの展開が非常に早かったと思っている。
―長野県内で過去に同様の事例は
しっかり調べた訳では無いが、複数の警察官が殉職するのはほとんどない。(記憶の中で)県では初めて
―犯人から警察側への要求はあったか
なかった
―ナイフの刃渡りは
通報では刃渡りは30センチぐらい。実際は今後調べる。
―犯人を刺激しないように気を付けたことは
一般論だが、ヘリの音で刺激をしてしまう。なるべく高い所を飛ぶようにというのは気を付けた。ライトをつけていなかったが、刺激しないように。我々の位置を知られないようにした
―最低何メートル離れたか
少なくとも100メートルは飛距離がある。常に100メートル離していたわけではないが、それを念頭にして対応した
―事件を踏まえての県民へのメッセージ
このような事案が起きて、当県警の職員も亡くなったのは痛恨の極み。こうした大きな事案一つ一つに県警総力を挙げて徹底的に捜査を推進していきたい。その他いろんな事案があるがそれについても県警一丸になって捜査をしたい
(午後1時2分会見終了)
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